手前のラムネと遠くの指輪

作品No.93
淡いソーダ水のようなブルーのシーグラスシェード。
今まで作ったシーグラスシェードの中で、一番小ぶりな作品。野菜で例えるなら、かなり大きめなアボカドくらい。
タイトルの”手前のラムネと遠くの指輪”は、南国の海沿いのカフェテラスの情景をまず思い描きました。そのカフェで一人ラムネを飲んでいる女性。手には指輪をつけてはいますが、そのもう片方を持っている愛すべきパートナーはもういません。ラムネを飲みながら、海の水平線をぼーっと眺めていると、イルカが跳ねたような刹那。手放せずにいるその指輪とイルカを頭の中で合わせた時にふと、「ドルフィンリングってなんだっけ？」と思い、クスッと笑う女性。そんな場面を思い描き、タイトルに。キュートなフォルムに合うよう、真鍮のハンドルを輪っかにしてみたのが、「功を奏しました」と言うのは、私の勝手。
ついうっかり、センチメンタルになってしまうような時間のお供にしてもらえたら、そのセンチメンタルは何倍にも膨れ上がっていくかと。